胃酸過多から疑われる病気は?

胃酸過多が一時的なもので、時間の経過とともに治るのなら問題ないのですが、慢性的に起こっている場合は、何らかの病気の症状として現れている可能性があります。症状がひどい場合は、医療機関で検査を受けることをおすすめします。ここでは、胃酸過多を引き起こす代表的な病気について見ていきましょう。

逆流性胃腸炎・逆流性食道炎

慢性的な胃酸過多の場合は、逆流性胃腸炎や逆流性食道炎の疑いがあります。この2つの病気の症状は非常に似通っていて、ゲップ、胸焼け、喉の違和感、吐き気、胃もたれ、胃痛などが起こります。

逆流性胃腸炎と逆流性食道炎の違いは、その炎症が起こっている場所です。逆流性胃腸炎の場合は胃腸に炎症が起こっており、逆流性食道炎は食道に炎症が起こっています。胃カメラやレントゲン撮影によって診察しますが、食道を通過するときの違和感によっても判断されます。

逆流性胃腸炎も逆流性食道炎も、胃酸過多によって胃酸が逆流して炎症が起こる病気です。特に食道は胃の粘膜のように胃酸を防御する機能がないので、胃酸が何度も逆流すると炎症を起こしてしまいます。背中の痛みや耳の痛みなどの症状が出るときもあります。

胃潰瘍

胃潰瘍とは胃の粘膜がただれ、深く傷つき、破壊された状態のことを言います。進行すると胃壁に穴が空いてしまうこともあるので、病院で早期治療を受けることが大切です。

胃潰瘍の主な症状として、ゲップや胸焼けや吐き気などの胃酸過多症状、空腹時のみぞおちの痛み、貧血、黒い便が出る、腰痛や背中の痛み、ひどい口臭、吐血(黒っぽい血を吐く)などが挙げられます。

胃潰瘍は暴飲・暴食や精神的ストレスだけが原因で発症するものだと思われてきました。しかし現在では、胃がピロリ菌という細菌に感染することが大きな原因だとされています。ピロリ菌が胃の中で増加すると胃粘膜が弱り、胃壁が自分の胃酸によって傷ついたりして潰瘍ができることがわかっています。

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍とは、十二指腸の粘膜が炎症を起こし、粘膜や組織の一部が損傷してなくなってしまう病気です。十二指腸の粘膜は薄いので、悪化すると穴が空いてしまうこともあります。穴が空くと我慢できないほどの激痛を感じ、消化器官から食べ物が流出して炎症を引き起こす可能性があるので、緊急手術が必要になります。

十二指腸潰瘍の症状としては、空腹時や夜間に上腹部がキリキリと痛む、下腹部に違和感がある、胸やけやゲップなどの胃酸過多症状、口臭、吐血、下血(便に血が混じる)などが挙げられます。

胃酸過多が十二指腸潰瘍に関係している理由は、過剰な胃酸が十二指腸に流れ出て、十二指腸に炎症を起こすことがあるからです。十二指腸潰瘍の原因も胃潰瘍と同様、ピロリ菌感染、ストレス、非ステロイド性抗炎症薬の使用、胃酸過多などによって、十二指腸の粘膜を保護する仕組みが破壊されるからです。

胃がん

胃がんは胃粘膜の表面の組織が、がん細胞に変わってしまうことで発病します。胃がんの症状は他の胃の病気に非常に似通っており、胃痛、胸焼け、吐き気、ゲップなどの胃酸過多症状、食欲不振、消化不良、貧血、吐血、黒色便が出る、などがあります。

慢性的な胃炎や胃潰瘍だったものが、何らかの原因でがん細胞化すると胃がんになると言われています。胃炎や胃潰瘍などの場合は胃の粘膜が傷ついているので、細胞の遺伝子が損傷していることが多く、細胞の再生時にがん細胞化しやすいと言われています。塩分の過剰摂取も胃がんのリスクを高めるというデータもあります。

胃炎

胃炎とはその名の通り、胃に起きる炎症のことです。胃炎には急性胃炎と慢性胃炎があります。急性胃炎は胃の粘膜が急性炎症を起こすことで、腹痛、嘔吐、消化管の出血などの突発的な症状が起こるのが特徴です。慢性胃炎は、胃粘膜が慢性的に炎症を起こしている状態を指します。症状として、みぞおちの痛み、ゲップ、胸焼け、胃もたれ、吐き気、むかつき、食欲不振、下痢などが慢性的に続きます。

胃炎の主な原因は、暴飲・暴食、精神的ストレス、医薬品による刺激、科学的毒物、飲酒、喫煙などです。慢性胃炎の場合は、それに加えてピロリ菌のようなウイルス・細菌の増殖が原因となっていることが多く見られます。

ゾリンジャー・エリソン症候群

ゾリンジャー・エリソン症候群とは、すい臓の腫瘍からガストリンが過剰に分泌されることで、胃酸過多を引き起こす病気です。ガストリンは、胃液の分泌を促す消化管ホルモンなので、ガストリンの過剰分泌は胃酸過多につながります。

この病気には根本的な治療法がなく、この病気にかかると胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍を多発するようになってしまいます。その他にも高ガストリン血症によって、悪性貧血が引き起こされることもあります。ゾリンジャー・エリソン症候群の症状として、吐血、下痢、下血(便に血が混じる)なども見られます。
 

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