胃酸過多が起こる原因

胃酸とは?

胃酸とはその名の通り胃の中の酸のことで、その成分はpH1~2の強力な酸です。胃の中を一定以上の酸性に保つ働きがあり、食物の消化を行うとともに、食物と一緒に体内に取り込まれた各種菌の殺菌も行っています。

胃酸はそれほど強力な酸ですが、タンパク質でできている胃自体を消化してしまうことはありません。胃の粘膜からは粘液が分泌されており、粘液の薄いベールで胃の粘膜は覆われているので、通常は胃酸がそれを通り抜けて胃の粘膜を消化することはないからです。

しかし、何らかの原因で胃酸過多が起こると、粘液の薄いベールでは胃を守りきれなくなり、胃もたれ、食欲不振、胸やけ、吐き気、嘔吐、ゲップなどの様々な症状が現れます。

胃酸過多が起こる原因

胃酸過多とは、消化の際に分泌される胃酸が過度に分泌されてしまうことを指します。胃酸は食べ物の消化に必要なものですが、胃酸過多になると、食べ物を消化する必要のない空腹時でも胃酸が分泌されるようになってしまいます。

胃酸過多が起こる原因には様々なものがあります。主な原因として、ストレス、過剰なガストリン分泌、食生活、喫煙などが挙げられます。また病気の症状として現れることもあります。以下でそれらの原因を詳しく見ていきましょう。

ストレス

胃酸の分泌は自律神経(交感神経と副交感神経)の働きによってコントロールされており、通常は胃の中に食べ物があるときに胃酸が分泌されます。交感神経が優位になると胃酸の分泌が減少し、反対に副交感神経が優位になると胃酸の分泌は増加します。

ストレスを感じると交感神経が優位になります。すると胃の血管が収縮し、胃酸の分泌が減少します。しかし、交感神経が強く働くと、体はバランスを保つために副交感神経の働きも盛んにします。すると胃のぜん動運動が活発になり、胃液がたくさん分泌され、胃酸過多の状態になるのです。

過剰なガストリン分泌

ガストリンは、胃の出口にある幽門前庭部から分泌されるホルモンの一種です。ガストリンには胃酸や消化酵素を分泌する働きがあり、血糖値を下げるためにインスリンの分泌も促します。何らかの原因でこのガストリンが大量に分泌されると、胃酸も過剰に分泌されます。

ガストリンが大量に分泌される原因は、消化能力の低下やピロリ菌の産生の原因となるアンモニアに対抗するためだと考えられています。

食生活の乱れ

食生活も胃酸過多に大きく関係します。カフェインは交感神経を刺激し、胃酸の分泌を盛んにします。香辛料などの刺激物、脂肪の多い食材、酢やレモンなどの酸っぱいもの、チョコレートやケーキなどの甘味料の強いものなども、摂り過ぎると胃を刺激して、胃酸の産生を過剰に促す恐れがあります。アルコールは少量なら問題ないのですが、ストレスなどで胃酸が出やすくなっているときは特に、大量のアルコール摂取は胃酸過多を招きます。

また、早食いや食べ過ぎなどの食習慣も、胃酸の過剰分泌につながります。

喫煙

喫煙すると血管が収縮して、交感神経が優位になり、胃酸の分泌が促進されて胃粘膜が傷つきやすくなることがわかっています。ニコチンは一部中枢神経を刺激して、胃酸分泌を促進する作用があるので、過剰な喫煙は胃酸過多を招く恐れがあります。

喫煙が胃酸過多を引き起こすメカニズムは、ストレスによるものと非常に似通っていて、どちらも交感神経を刺激することがその原因になっています。

病気の症状

胃酸過多は何らかの病気の症状として現れる場合もあります。例えば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、胃炎、ゾリンジャー・エリソン症候群などが挙げられます。胃酸過多の症状が一時的なものではなく、長く続く場合は、病院で診察を受けることをおすすめします。早期治療によって、症状の悪化を防ぐことや早い回復が望めます。
それぞれの病気の詳細については関連リンクをご覧ください。

関連リンク: 胃酸過多から疑われる病気は?

 
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